今回は、イソップ寓話より2匹のカエルの話を紹介します。
2匹のカエルの話
2匹のカエルがミルクのいっぱい入った壺のふちのまわりを飛び跳ねていました。
突然、2匹ともミルクの壺に落ちてしまいました。
1匹のカエルは、「ああもう駄目だ―!おしまいだ―!」、と叫んであきらめてしまいました。そしてゲロゲロ泣いて何もしないでじっとしているうちに結局溺れて死んでしまいました。
もう一匹のカエルも同じように落ちたのですが、何とか逃げだそうと思ってもがいて何度も何度も足を蹴ってあきらめずに一生懸命泳ぎました。
すると足の下がだんだん固まり、ミルクがチーズになったのです。それでピョンとその固くなったチーズの上に乗って外に飛び出すことができたのです。
という話です。これは心理学者もよく使うミルクの壷の蛙の話だそうです。これとよく似た話がもう一つありますのでそちらも紹介します。
3匹のカエルの話
3つの瓶に、牛乳が入っていました。
そこに3匹のカエルが来て、それぞれ違う瓶に ポチャン、ポチャン、ポチャンと落ちました。
1匹目のカエルはとても楽天的です。「待ってたら誰かきっと助けに来てくれるはず・・・」と思ってプカプカ浮いていたのですが、誰も助けに来てはくれません。
そのうち沈んで死んでしまいました。
2匹目のカエルは悲観的なカエルです。落ちたとたんに「あぁ、もうだめだ~。」ブクブク・・・。
牛乳の底に沈んで、あっさりと死んでしまいました。
3匹目のカエルは、瓶の中に落ちたとたんに「大変だーっ!これはヤバイ!何とかしなくては!!」
もがき暴れまくって必死で泳いでいると、ダラダラと汗が出てきました。
カエルの汗が混じった瓶の中の牛乳は、カエルの動きでぐるぐるとかき混ぜられてバターとなり、その上に乗って瓶から飛び出ることができたのです。
この話は2つとも似ている話なので元は同じかも知れませんが、何が言いたいのかというと、何か困難な状況が起きたときにどう行動するのか、またはしないのか、ということです。
助かったカエルも、泳ぎ続けたらチーズやバターができて助かるなんて思ってるわけではなく、たまたま運が良くて、結果として助かったともいえますが、何もしないであきらめてしまったら結局死んでしまうしかないのです。
あきらめたらそこで試合終了だよ
「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」と有名なバスケ漫画、スラムダンクの名言にもありますが、結果がどうであれ、現状から一歩動くことで何か生まれるものは必ずあります。あきらめてしまえば可能性は0%ですが、挑戦すれば可能性は0ではなくなり広がっていくのです。
先ほどのカエルの話に戻りますが、カエルは泳げるから溺れへんやろとか、ミルクがチーズになるまでかき混ぜるってどんだけ時間かかんねんとか大人はひねくれた考えを言い出しそうですが、これは例え話ですので理屈は置いておいて、大人になると年を重ねるにつれ腰が重たくなって現状に甘えたり、見栄や体裁でガチガチの頭になって、新しいことにチャレンジして成功しようとするよりも、失敗するリスクを先に考えて動くことをためらう人が多いかも知れません。
でも子どもは毎日が挑戦の連続です。毎日毎月毎年どんどん新しい課題が出てきます。課題に取り組む前から無理、出来ないと思ってしまう時もあると思います。そんな時に、立ち止まることがあるなら゛とりあえず挑戦してみよう!″と先ほどの話を通して背中を押して上げることができるように、親子で対話のできる関係を持ち続けていきたいなと思いました。
あきらめることも時には必要?
ただし自分ができることは他人もできるという考えを持って助言してしまうと、アドバイスされた方も自分とは違うと違和感を持ってしまいますし、人にはできることとできないことの能力差がやはりありますので、時には挑戦を止めるという決断をしなければならない時もあります。根性論でできるまでやり続けろと言いたくなる時もありますが、そこはケースバイケースで、現実を見て判断することも大事かなとは思います。
とはいえ、ここでは挑戦することの大切さを教えているところですので、まずは一回やってみる。やってみてダメならば人に見てもらいアドバイスを受ける。自分では気づかなかったこと、思い付かなかったことが分かるかも知れません。そしてもう一度挑戦する。その繰り返しの中で、やり切ったという達成感があれば、成功しても失敗したとしても次のステップにつながると思いますし、その努力は人として成長の糧となるものだと思っています。
最後に
子どもさんがいる家庭では、この話をしてどのカエルになりたいか聞いてもらったら楽しい会話のネタにできると思います。もし少し悩んでる友がいればこの話を参考にしてもらって、
「 When you give up, that’s when the game is over 」
と、英語で「あきらめたらそこで試合終了ですよ」とちょっとカッコよく?言ってみてもいいかも知れませんね。コミュニケーションをとるきっかけになれば幸いです。