金魚すくい-金魚を飼うポイント

上手に飼うことができれば何年も生きることができる金魚ですが、金魚すくいの金魚は、持って帰っても長生きしないことも多いです。

けれども、家に持って帰ってきて最初の2週間を何とか上手に飼うことができれば、10年以上飼育も可能になってきます。

せっかく持って帰ってきたからには長く育てていきたいですよね。

ここでは、金魚すくいでもらった金魚を長生きさせるポイントを紹介します。

なぜ金魚すくいの金魚は弱いのか。

金魚すくいで使われる金魚は飼育用ではなく、餌も最小限しか与えられていません。ぶくぶくは入れていることもあればないときもあり、ろ過機能のない入れ物の中で長時間置かれていくとどんどん水は汚れていきます。

金魚すくいに入っている小さい金魚は今年生まれた赤ちゃんか子どもの金魚です。少し大きい金魚は年越ししたもので、小さい金魚よりは体力があります。でも、ポイで追い回されると体に傷もつきますし、水質も悪化していくので、金魚の体力もあっという間に落ちていきます。

掬った金魚は、家に帰るまでの間、酸素も供給できない小さい袋にブラブラと揺られながら汚れた水の中で耐えなければなりません。ストレス半端ないです。金魚にとってもストレスは万病の元で、病気の発症率も上がります。弱って当たり前の環境なのです。

では、持って帰ったらどうしたらいいのか。

まず最初の2週間で気をつけることは、

飼育容器など環境を整えてあげること

金魚の体力を復活させて、元気な体に戻すこと

水質に気をつけること

です。

持って帰った金魚はとても弱っています。疲れきっています。体調を戻すには体力を回復させる必要があるのです。

体力回復のための環境を整えてあげる

金魚を入れる容器(水槽、鉢など)を用意したら、カルキを抜いた水を入れます。水温は15~28度位が適温と言われています。金魚すくいの小さな和金などは、まだ子供で水質の変化に弱いので、新しい容器の水に慣らしてから移すことが大事です。

水温水質合わせるために、水を入れた新しい容器に金魚の入ったビニール袋を、中の水が漏れないように30分ほど浮かせます。水温が同じくらいになったら、ビニール袋の中に、容器の水を袋の1/3ほど入れて10分くらい浮かせて待ち、またもう1/3ほど容器の水を足して10分くらい置き、水温・水質を合わしてから容器に移します。

金魚の入ったビニール袋から容器に移すときは、網などですくってビニール袋の中の水は容器に入れないように注意してください。

金魚の体力が回復するのを待つ

持って帰ったきた時は嬉しくてテンションが上がっているので、見えるところに置いてずっと眺めていたいし、早くエサをあげたくなりますが、まずは金魚が落ち着くまでなるべく人が視界に入らないようにそっとしてあげることが望ましいです。タオル等をかけて視線を遮ってあげてもいいです。新しい環境で過敏になっているので、ストレスを和らげてあげてください。

最初の給餌のタイミングですが、金魚すくいの金魚はあまり餌を与えられていないので、持って帰ってすぐでも餌をあげれば食べるかも知れません。おなかが空いていると思えば上げたくなるのですが、ここはぐっと我慢して2、3日は絶食させましょう。3日くらい食べなくても栄養失調で死ぬことはありません。餌を消化するのにも体力を使うので、体調が落ち着いて元気になってからエサをあげましょう。

水質に気をつけよう

水質の急激な変化は金魚にとって大変なストレスになります。飼育する匹数と水量で水の汚れ方も変わってきますが、常にきれいな水で飼育するために毎日水換えする方法もあれば、ろ過装置を投入して、水換えの頻度を減らすことで金魚への負担を少なくする方法もあります。

どちらの方法でも構わないと思いますが、毎日水換えをするのは、最初はいいですが、段々面倒くさくなったり忙しくてできない日が出てきたりするので、あまりお勧めしません。水換えするなら全換水が基本です。長く飼育を考えているなら、簡易なろ過フィルターでもいいので設置することをおすすめします。

水が汚れる主な原因は、金魚が出す糞と食べ残した餌から、魚に有害なアンモニアや亜硝酸が発生することです。

きれいな水にするには全換水するか、アンモニア等を分解してくれるバクテリアを住まわせる環境にしてあげることです。

カルキで消毒した水道水にはバクテリアも当然いないので、飼育を始めたばかりの容器内にもバクテリアは住んでいません。そこでろ過フィルターの出番になってくるのですが、ろ過材があることでバクテリアの住処となって定着し、どんどん繁殖していくので、有害物質を分解して水を綺麗にしてくれるのです。

ろ過フィルターの能力の差でどれだけきれいな状態を保つことができるかが変わってきますが、少なくともろ過フィルターなしの環境よりは水換えの頻度も下がりますし、換水による金魚のストレスも軽減することができます。

飼い始めの時期は特に金魚が環境に慣れず弱い時期なので、なるべくストレスを与えないような飼い方を考えることが大事になります。

塩浴トリートメントという方法も

金魚を持って帰って大きな容器に移してそっとしておくのもいいですが、回復を早めるために塩浴をする方法があります。病気になったときに治療として水槽に塩を入れることがあるのですが、体力回復のためにも使います。

使う塩は水1リットルにたいして小さじ1杯、5gが目安です。濃度にして0.5%なんですが、これは金魚の体液の濃度に近いそうです。

金魚は普段、真水で生活していますが、浸透圧の関係で真水が体内に入ってくるのを排出するためにエネルギーを使っています。体液濃度に近い塩水にしてあげることでエネルギーの消費を抑えることができ、その分、体力の回復に使うことができるのです。

また、金魚すくいで傷ついた体を回復させたり、体に細菌等がついていたら、殺菌効果もあります。

塩水を作る時は、濃度を急激に変えると金魚の体にストレスがかかりますので、その濃度になるまで時間をかけて少しずつ塩を入れてあげると良いです。

ただし、すべての金魚に塩浴が使えるわけではなく、例えば、松かさ病で鱗が開いているような状態の金魚には使わない方が良いとされています。塩浴も、金魚にとって合う合わないがありますので、使用の際には様子をよく観察して、おかしいなと思ったら中止してくださいね。

塩浴の期間は3日から1週間くらいですが、その間に水替えをする必要が出てきます。水替えの際は全部入れ替えますので、同じ濃度の塩水を作り、水温を合わせてから移動させることになりますので、容器を二つ用意しておくと作業しやすくなります。

塩浴は手間もかかりますので、絶対やらなければいけないことではありません。より愛情と手間を惜しまない方は、こういう方法も試しています。

飼い始めにどれだけ金魚を元気にできるか

金魚を長生きさせることができるかどうかは、この飼い始めの時期にかかっているといっても過言ではありません。

金魚の体調をよく観察することも大事です。たとえば、調子の良い金魚の背びれはピンと立っていますが、調子が悪いとずっとたたんでいます。

餌をあげてみて、気づいているのに見向きもしないで食べない様であれば、かなり調子を落としています。万一病気をしている金魚に餌をあげるのはあまり良くはないですが、食べる元気があるならばまだ大丈夫だとも言えます。毎日観察して、金魚の様子を見て上げてください。

半年、1年、2年と長生きできると、環境にも慣れてきていますので、少々水が汚れても、水換えのショックにも耐えれるようになっていますので、飼育も楽になってきます。

せっかく飼うからには長生きさせたいですよね。まずは飼い始めの2週間を注意して育てていきましょう。