吸盤がないカエルもいる?

アマガエルは、小っちゃい指先にある吸盤で壁に引っ付いたりよじ登ったりして、とってもかわいいのですが、トノサマガエルには吸盤がないことを最近あらためて知りました。小さい時に何回も捕まえていたのに、全然覚えていないものですね。

カエルの手って皆同じようなものだと思っていたのですが、生活する環境に対応するように、カエルの手も水棲、陸棲で形や特徴が違っています。

なぜアマガエルは壁に引っ付くことができるのか?

樹上で暮らすアマガエルの手は、顕微鏡で見るとたくさんのがあります。指の吸盤にはたくさんの分泌液を出す穴があり、この分泌液で密着してひっ付き、溝の摩擦力ですべらないようになっていて、垂直の壁でも登ることができます。

例えば、乾いたティッシュは壁につきませんが、濡らすとペタっとひっつきます。接地面が多いほど接着が安定するように、アマガエルも手とおなかを引っ付けてずり落ちないように安定させています。また溝があることでグリップ力が高まるのは、雨の日に靴底に溝があると摩擦力が高まって、濡れた場所で滑りにくくなるような感じです。

ただし天井に張り付けるほどの密着力はないので、体が逆さまになるような所まで行ってしまうと落ちてしまいます。

壁を登る生き物と言えばヤモリも思い出しますが、ヤモリは天井に引っ付けるほどの吸着力を持っています。カエルとは構造が違っていて、ヤモリの指先を顕微鏡で見ると、細かい線のような毛がびっしり生えていて(繊毛)、壁など張り付く場所の目に見えない凸凹にピタリと合わさり、ファンデルワールス力という微弱な分子間の引力を利用して張り付くことができると言われています。

ちょっと難しい話になってしまいましたが、カエルもヤモリも今もなお研究が進められていて、完全には解明されていないらしいので、何年かしたらまた新しい説が発表されるかも知れませんね。

さて、樹上のカエルには吸盤があり、カエルの手のイメージというと、アマガエルのかわいい吸盤のついた手を連想しますが、陸棲のカエルには吸盤がないカエルがいます。

トノサマガエルヒキガエルなどには吸盤がありません。吸盤がないので木に上ったりもできません。アマガエルのように指先は丸くなく、細くなっています。

地面にいるバッタやコオロギなどを捕食するので、樹に上ることはないため、吸盤は必要ではなく進化しなかったのでしょうか。代わりに水かきが発達していています。

水田や水路に昔はたくさんいましたが、都会では水田も減少し、水路もコンクリート化して虫も生息できなくなり、餌も減ってきているため、生存が難しくなっています。

今回はカエルの吸盤について関連の話を書きましたが、カエルやヤモリのように壁や天井を自在に動ける力には憧れますよね。

もし人間にもそんな力があったらどんな世界になるか想像してみたら、ちょっと可笑しかったです。皆さんならどんな世界を想像しますか?